『ヘイロー:リーチ』(Halo:Reach)はマイクロソフトより発売されたXbox 360用のゲームソフトである。過去作と同様に開発はバンジースタジオであり、本作がバンジーが制作する最後のHALOとなる。
本作は『Halo Wars』と同様に、マスター・チーフを主人公とする「オリジナル・トリロジー」の過去を舞台とした作品になるが、この戦争の物語自体は小説『Halo: The Fall of Reach』で語られているため、プレイヤーはあらかじめ物語の結末を知った状態でプレイすることになる。
日本語版キャッチコピーは「あなたは、この悲劇を忘れてはならない」。また、ギネス世界記録が発表した「最も素晴らしいゲームエンディング TOP50」の2012年ランキング第2位に選ばれている[1]。
概要
シリーズ1作目『Halo: Combat Evolved』より前の出来事を描いたスピンオフ作品。『Halo 3: ODST』から約1年後の発売となるが、本作はグラフィックやゲーム・システムに大規模なアップグレードを施している。主人公の性別や容姿などは変更可能。
最大4人でキャンペーン・モードを遊ぶことができ、これまでの作品では限定的であった「環境物の破壊」(建物や障害物など)が強化されたほか、AIの制御数も増加し、最大15名の味方と30体前後の敵キャラクターを同時に制御することが可能になっている。また兵器のデザインなどのグラフィックは、旧作よりもよりリアリスティックな物になっている。
加えて、『Halo 3』で好評だった、ゲームのリプレイを三人称視点で好きなカメラアングルから観賞できるシアターモード、スクリーンショット機能、マルチプレイヤーマップを編集できるForgeモードなども搭載されている。
そのほか新要素として、敵の背後に忍び寄る「暗殺」アクションや、特殊能力を選択できる「アーマー・アビリティ」(後述)、宇宙戦闘機セイバーを操縦してコヴナント艦隊と戦闘するフライトシューティング的なシークエンスも登場する。
今作のキャンペーン・モードはチームを中心とした物語になっており、過去作品よりもキャラクター性に重点を置いている。
あらすじ
26世紀。人類は多種族のエイリアンからなる連合軍「コヴナント」と遭遇し、一方的な侵略を受け全面戦争に突入する。人類の科学テクノロジーはコヴナントに大きく遅れをとっており、大規模な戦闘が発生する度に敗北を重ねてきた。そのためUNSC(国連宇宙コマンド)のコール司令は、地球の位置を隠蔽するため「民間の貨物船であろうと、いかなる艦艇も地球へ向かってはならない」という「コール条約」を制定させる。
それゆえに植民地惑星で最も開発されていた「惑星リーチ」がUNSCの最高司令部(そして最終防衛線)となるが、惑星リーチが人類史上最も壮絶かつ、最も悲惨な戦場になる運命は明白であった。
コヴナントの侵攻が始まろうとする中、リーチ防衛を任されたスパルタン部隊の1つ「ノーブルチーム」に補充兵が送られる。その兵士の識別ナンバーは、「ノーブル・シックス」。
敵対種族
敵歩兵として、戦闘を行うもしくはサポートする種族のみ明記。
今作では、同種族内でも歩兵や特技兵など、階級や役割などによる区分がなされている。
- グラント族(Grunts)
- シリーズ恒例のいわゆる雑魚敵。今作では人類の言語を話すことはない。
- しかし、自爆攻撃や居眠り、そしてグラントバースデイのスカルは健在。
- 彼らを倒すと偶に背負っているメタンガス入りの生命維持装置が分離し、ガスを噴出した後小爆発を起こす。
- 一般的なグラント。相変わらずヘッドショットが非常に有効。
- ガスマスクのようなフェイスヘルメットが特徴。
- 防御力は通常のグラントと変わらないものの、ロッドガンやプラズマランチャーといった強力な重火器を使用する。
- 白色のボディアーマーと顔全体を覆い隠す特徴的なマスクを装備したグラント。
- ヘッドショットで倒す場合、マスクを剥がさなければならないため二発必要。
- エリート族(Elites)
- スパルタンをも上回る体格と、高度な知能をもった誇り高き種族。また、シールド機能をもつアーマーを装備している。
- 惑星リーチ攻防戦ではコヴナント同盟軍の主力戦力として活躍する。
- モーショントラッカーでプレイヤーの動きを察知し、近接されれば高い身体能力を生かした回し蹴りなどを繰り出す。
- またニードルライフルやプラズマリピーターなど多様な武器を扱い、アーマーアビリティも使用する。
- 青味を帯びたアーマーに身を包んだエリート。特筆すべき特徴はなく、シールド強度も低め。
- 橙味を帯びたアーマーに角付きのアーマー。ややシールド強度が強い。
- 白いアーマーにフルフェイスのヘルメットを装備したエリート。
- 主に背面のジェットパックを用いた強襲を行う。また、フォーカスライフルを用いた狙撃や宇宙空間での戦闘も担っているようだ。
- シールドの強度はやや低い。
- 流線型のヘルメットが特徴的なエリート。アクティブカモフラージュを用いたステルス攻撃を行う。
- シールド強度がとても低く、ステルス機能も完全な透明ではないものの、エナジーソードを持った個体には注意が必要。
- 白いアーマーに身を包んだエリート。
- シールド強度が高く、アーマーロックを使用するなど上記のエリートらに比べ防御力が非常に高い。
- また、使用する武器も特に多様であり、プラズマライフルの2丁持ちやコンカッションライフルでの攻撃を行う個体も存在する。
- 身体能力も高いようで、背面の敵には強烈な回し蹴りを食らわせる。
- その上序盤から場所を問わず登場するため、高難易度になると大きな障害となりえる強敵。
- ワインレッドのアーマーと2本の角が特徴。
- シールド強度はウルトラをも上回り、戦闘能力も高い。しかし、純粋な戦闘ではなく要人暗殺や破壊工作などの特殊任務を主とする。
- 対峙するエリート中最強の戦闘能力を誇る戦士達。金色のアーマーを装備し、主に重火器を使用する。
- ジャッカル
- 円形のエネルギーシールドを装備する鳥類のような敵。
- スカーミシャとは同じキグヤー(Kig-yar)という種族であり、ジャッカルは雌個体とされている。
- 一般的なジャッカル。今作ではシールドに空いている穴が1つに減っている。
- ニードルライフルやフォーカスライフルを用いた狙撃を行う。シールドは装備していない。
- スカーミシャ
- キグヤーの雄個体。雌であるジャッカルと異なり身体が比較的大きく、太い脚部と後頭部に生えた鋭い体毛が特徴。
- 非常に動きが俊敏であり、接近すれば瞬時にプレイヤーの視覚外へと移動する。また、発達した脚部による跳躍力は凄まじく、崖や塀に簡単に跳び乗ることが可能。
- 原因は不明であるが、彼らは惑星Reach攻防戦で絶滅している。
- 一般的なスカーミシャ。両手に超小型のエネルギーシールドを装着した個体も存在。
- 動きこそ非常に俊敏であるが、頭を防護していないため防御力は低い。
- 黄色味を帯びたアーマーを装着したスカーミシャ。ホログラムを用いた陽動を行ってくる。
- ブルート
- ゴリラのような姿をした獰猛で野蛮な種族。市街地へ多く投入された。
- 惑星Reach攻防戦当時では彼らの多くはアーマーを装備しておらず、ほとんど裸で戦闘を行っている。
- ニードラーやニードルライフルによる爆発攻撃に非常に弱く、後者では3発程度で爆発を起こす。
- 青いヘルメットを被ったブルートの歩兵。ヘッドショットで倒す場合には2発必要。
- 金色のアーマーに身を包んだブルート。しかしシールド機能はついておらず、防御力は変わっていない。
- ニードル攻撃による爆発に非常に弱い彼らだが、撃ち込まれると即座にアーマーロックを発動するなど一応対策はしているようである。
- 巨大な頭飾りを被り凶悪な表情をした格上のブルート。グラビティハンマーかロッドガンを使用する。
- ドローン
- 虫型種族。今回では主に待ち伏せやトラップとして登場する。
- ハンター
- レクゴロというミミズ状の生物が集まってできた集合体。エリート族にのみ協力する。
- 今作でも各所に関門として登場するが、その戦闘力は上昇している。
- エンジニア
- 過去に繁栄した高度な知恵をもつ種族、フォアランナーによって生み出された人工生命体。
- 周囲の生物にシールドを付与する能力をもつため、コヴナントによって利用されている。
- 『Halo 3: ODST』にも登場。
ゲームプレイ
マルチプレイヤー
Xbox Live、システムリンク、画面分割に対応する。
- スパルタンとエリートの差別化
- 従来は同性能であったスパルタン(人類側兵士)とエリート(コブナント軍兵士)の性能を差別化した。
- エリートはより巨躯に、より俊敏になる。また、ライフパックを取らなくても体力が自動で回復する。
- アーマー・アビリティ
- 最大の変更点として、アーマー・アビリティの採用がある。
- 特殊能力から任意の一つを選べ、時間によって回復するゲージの限り能力を使用できる。
- 拳を地面に突き立て、体全体にシールドを放出し、一切の攻撃を受け付けなくなる。解除した時に周囲にいるプレイヤーのシールドを消滅させる。ただし、使用中は行動できない。
- 背面に装備したジェットで自由に飛行できる。
- 光学迷彩で透明になり、周囲のレーダーにジャミングをかける。ただし使用中は環境音が聴こえなくなる。また、移動や攻撃によって効果は薄れる。
- 高速で走る。使用中は攻撃ができない。発動中にジャンプするとやや飛距離が伸びる。
- Halo 3の『バブルシールド』に似た半球状のシールドを設置し、範囲内にいる間は徐々に体力を回復する。
- 自分の分身を前方に投影する。
- 前転による緊急回避を行う。前後左右の方向で使用可能。
- 一部のモードでスパルタンも使用可能となる。
また、今作では復活時に武器やアーマー・アビリティを選択できる。