New Extend Standard Architecture (NESA)は、Eバスとも略され、1990年に発売された、日本電気 (NEC) のPC-H98シリーズに搭載された32ビット高速バスである。

SV-H98シリーズや、同社のN5200シリーズ等にも用いられたが、それ以外での採用例は無い。

開発経緯

1985年に発表されたIntel 80386によって、1986年以降、従来16ビット幅の汎用データバスを使用していたIBM PC/ATやNECのPC-9800シリーズといったx86系プロセッサ搭載パーソナルコンピュータにおいては、汎用データバスおよびそれを用いる拡張スロットの32ビット化が喫緊の課題となりつつあった。

PC/AT互換機では、本家IBMがPS/2と共にリリースしたMCAと、互換機メーカーらによるEISAの戦いという形で現れ(EISAの記事の背景の節を参照)、最終的にはEISAの側に軍配が上がった。

PC-98シリーズの場合は、やや事情が異なっていた。同シリーズのオリジネイターであるNECが、アメリカ市場ではPC/AT互換機メーカーの1社としてEISAの開発に携わるという一種のねじれが生じていたため、結果としてEISAを研究し尽くした上で、EISAとの互換性に拘泥することなくさらに改良を加えたバスを開発できたのである。

NECはPC-98シリーズ用汎用32ビットバスを開発するに当たって、EISAに似たバス調停機能とリソース設定機能を備えつつ、EISAの欠点であったISA上位互換を実現するための非合理的な信号線配置についてはCバスとは全く異なる新型コネクタを採用することで克服するという、巧妙かつ中庸を得たデザインを採用した。それはEISAとMCAの双方について知悉し、また専用のインテリジェント・コントローラを自社で開発する技術力のあるNECだからこそ実現可能なアーキテクチャであった。

こうして、EISAから遅れること約1年、1990年1月に発表された高価なハイレゾグラフィック機能に対応するPC-H98 model 70に搭載される形で、NESAは市場デビューを果たした。

規格

NESA(Eバス)製品の例

NESAバスメモリ・SCSIボード・LANボードなどが存在した。H98用内蔵HDDユニットなどもSCSIホストアダプタ機能を備えていることがあるように、対象機種では内蔵HDDインターフェースも一種のNESAバスであるが、ここではEバス形状を持つNESA製品の例を挙げる。

この節の加筆が望まれています。 (2015年7月)

PC-H98/SV-H98シリーズ向け

以下のほか、N5200シリーズ用などではハードウエア的には同等の製品であっても異なる型番で用意された。それらはNESA-FOまわりのファームウエアが異なるためH98では使用できず、逆にH98向けのNESA製品もN5200シリーズでは使用できない。

NESAバスメモリ
SCSIボード
LANボード
その他

脚注

注釈

  1. ^ むろんこれば32ビットバスでの話であり、50ピンのSCSIのような8ビットバスのデバイスではバス変換などを介さない限り、その速度を活かすことはできない[1]

出典

  1. ^ a b 畑 陽一郎 「98が抱える三つの弱点 バスが遅い, NESAが遅い, そしてSCSIも遅い」 日経バイト(1992年3月号) pp246-257

関連項目