VOW」(バウ)は、宝島社が発行する雑誌(『宝島』と『sweet』)に連載されている読者投稿コーナー、および、同コーナーの投稿(現在は、ウェブサイトでの投稿を含めて)をまとめた書籍である。

概要

VOWは、"Voice Of Wonderland"の略。『宝島』の前身の雑誌『ワンダーランド』の創刊時から続いていたコーナーである。連載は2001年にいったん終了。2010年に復活した[1]ものの、『宝島』が2015年10月号をもって休刊したために再び終了した。しかし、掲載誌を女性ファッション誌『sweet』に移して、2015年11月12日発売の2015年12月号から復活している。『sweet』編集長の渡辺佳代子がVOWのファンだったことから移籍が実現した[2]

創刊当時は、情報コーナーであり、後に一般的な読者投稿コーナーになった。1980年には常連投稿者だった当時高校生の佐藤克之(カーツ佐藤、カーツさとう)が、読者からライターに出世し連載コラムを持つようになる。

1980年代に入ると佐藤が妙な新聞記事等を見つけてコラムに取り上げるようになり、編集部でも似たような物件を見つけて掲載すると読者からもその種のものが投稿されるようになる。

そのため新聞・雑誌の誤植や街で見つけたヘンなもの(看板・道路標識の誤字や変わった名前の会社・店等)の写真を投稿する独立したコーナーを作るとさらに人気を集め、単行本も発行されるようになった。一般には、VOWといえばこの投稿コーナーのみを指すことも多い。また、同コーナーに掲載されたネタは「VOWネタ」もしくは「VOW物件」と呼ばれる。

漫画のおかしなところを取り上げた『コミックVOW』、特撮番組に投稿者がつっこみを入れる『怪獣VOW』シリーズ、大阪をネタにした『VOWやねん』『VOWでんがな』、名古屋をネタにした『VOWだがね!!』、2ちゃんねるの面白投稿、FLASHなどをまとめた『2ちゃんねるVOW』シリーズなどさまざまなバリエーションがある。

2001年に『宝島』からVOWのコーナーが消滅した後は、毎年発行される『VOW ○○(○○は数字)』と不定期刊行のテーマ別の単行本を出版している。

また、『まぐまぐ』のメールマガジン『ウィークリーまぐまぐ』にて『まぐまぐVOW』を連載(2009年まで)。2003年にはケータイサイト『街のヘンなモノ!VOW』がオープン。さらに2013年8月7日にはインターネットで「街のヘンなモノVOW」のサイトがオープン[3]、また、『sweet』に掲載されたネタの一部は『sweet』公式ウェブサイトや宝島社ファッションポータルサイト「FASHION BOX」でも掲載されている。

2015年1月時点で、VOWの単行本の発行部数は累計930万部[4]

2000年代後半頃から多数出版されているいわゆるバカ画像本において、VOWに掲載されたものとのネタかぶりおよび剽窃(スキャンされ、インターネット上にアップロードされたものの引用)が多く見られる。

エピソード

歴史

総本部長

渡辺が1990年代初頭に退任後、総本部長ポストは約1年にわたり空席。

近年は藪下秀樹が事実上の編集担当。

キャラクター

VOWネタの種類

雑誌『宝島』での連載、単行本、ケータイサイト共に、主に以下のようなジャンルのネタで構成されている。

一時期、シャウトねえちゃんと呼ばれる、絶叫する女性が全国各地のあらゆる看板・広告に登場していたことがあり、シャウトねえちゃん専用コーナーが存在した。
子供の詩は、詩自体が面白いものだけでなく、かつては読売新聞の「こどもの詩」の選者を務めた川崎洋の面白いコメントも定番であった。
バレエやフィギュアスケート、社交ダンスなどのポーズで男女の下腹部が密着していたり、股間に何か入っているように見える写真が投稿されると、投稿者または本部長が「これ絶対入ってるよね(C) みうらじゅん」とコメントするのが一種のお約束になっている。
特に大相撲ネタで敷島が多く取り上げられ、角界のコメント王の称号を得た。詳細は敷島勝盛#角界のコメント王を参照。
VOWの初期では、変わった絵柄や商品名の置き薬駄菓子が特集されたことが多かった。
競走馬では珍名をつけることで有名な小田切有一や、「マチカネ」の冠名の細川益男所有馬が多く紹介されている。
VOWと類似の「バウ」という、当時宇都宮競馬(現在は廃止)所属の競走馬もネタとして紹介されたことがある(実際、名前はテリー山本原作の『バウ』から来ているとのこと)。
例:ポリウレタン→ポリウしタこ、どうぞフタタビよくいらっしやいませ(原文ママ。Thank You Please Come Again:正しくは、「またのお越しをお待ちしております」)。
例:中島らもの「らも」に関するネタ[9]カーツ佐藤と同名企業のカーツ株式会社の「人と緑とカーツ」[10]他。

これらのネタや投稿者からのコメントに対して、総本部長が突っ込んだりボケたり、ネタ元から創作したり冷静に突き放したりするなどといった形でコメントを返している。

VOW内の連載

漫画・イラスト

コラム

著名な投稿人

出版物

本編単行本

本編
本編の総集編

テーマ別単行本

漫画
特撮
地方別
海外
著名人
教育
インターネット
VOW本編の外伝集
高級品
レトロ品
お笑い

文庫本

ゲームソフト

ニンテンドーDS
写真は『VOW』1 - 18掲載分までを集めている。地名やキャラクターの名前や芸能人の名前などは一部伏せ字になっていたり、写真は、その警察署の名前などがボカシが入っていたりする(例えば○○(←ボカシが入っている部分)警察署など)。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 宝島社の月刊宝島
  2. ^ 【伝説の「VOW」が復活!】『宝島』からNo.1雑誌『sweet(スウィート)』へお引越し!、PRTIMES(宝島社)、2015年11月12日 19:02。
  3. ^ ついに本家の登場です。WWWに宝島「VOW」降臨、ギズモード・ジャパン、2013年8月11日
  4. ^ 30年超続く「VOW」 投稿は今もアナログ写真プリントが多い、NEWSポストセブン、2015年1月29日 11:00。
  5. ^ 『VOW5 バウファイヴ!』(宝島社刊) 127頁
  6. ^ 『VOW3 バウスリー!』(宝島社刊) 177頁
  7. ^ 『VOW4 バウフォー!』(宝島社刊) 85頁
  8. ^ 前代未聞の関東学院大学VOW講義、学生優秀コメント発表!、まちのヘンなモノVOW、2019年8月14日
  9. ^ 『VOW PLUS!2』52-53頁。
  10. ^ 『VOW PLUS!2』54-55頁。

関連項目

外部リンク