XFLは、WWF(現在のWWE)とNBCが出資し、2001年にのみ運営されたのち、2020年に復活したアメリカンフットボールのプロリーグである。
WWFの代表者として知られるビンス・マクマホンによって2001年に設立され、2020年に復活したがコロナウイルス流行下でシーズン途中で運営を打ち切った。その後、ドウェイン・ジョンソンらにより買収され、2023年に復活し、2024年にはUSFLと合併してユナイテッド・フットボール・リーグとなった。以下は、断りのない限り2020年から2023年の間に運営されたXFLについて述べる。
2018年1月にはビンス・マクマホンが2020年度の復活を発表した。運営は、ビンスが資金を拠出し設立した、アルファ・エンターテインメントが行った。レギュラーシーズンはスーパーボウルの1週間後の2月から4月まで行われる予定であった。
2019年には競争相手となりえるアライアンス・オブ・アメリカン・フットボールが開始されたが、1シーズンももたずに中止された。
だが2020年3月13日、新型コロナウイルスの流行により、レギュラーシーズンの半分の5週を経過したところでレギュラーシーズンを打ち切り、2021年に再びシーズンを開催する予定であることが発表された[1]。しかし2020年4月10日、ほぼすべての従業員は解雇され、2021年シーズンの予定は撤回された[2]。3日後、負債の適切な返済のために破産法の適用が申請された[3]。2020年4月21日、コミッショナーを務めていたオリバー・ラック(NFLインディアナポリス・コルツの元QBアンドリュー・ラックの父親)は、マクマホンを不当解雇であると訴えた[4]。
2020年8月、ドウェイン・ジョンソンとレッドバード・キャピタル(Redbird Capital)によって1500万ドルで買収された[5]。2020年10月1日、リーグは2022年にシーズンを再開する予定を発表した[6]が、再び2023年春に延期された[7]。その間、2022年4月からはUSFLが復活した。
2022年5月、XFLはディズニー、ESPNと放映権契約を結び、ディズニーとESPNが2023年から2027年までの5シーズンを配信/放送することを発表するとともに、2023年2月18日に新シーズンを開始することも発表した[8]。ベガス・バイパーズvsアーリントン・レネゲイズの試合で2023年シーズンは開幕し、今度は予定通りに閉幕した。
2023年9月28日、USFLとともに合併の意志を表明した[9]。2023年11月30日、連邦政府の承認が下り、合併したリーグを2024年3月30日に開始すると発表した[10]。2023年12月31日、新リーグの名称がユナイテッド・フットボール・リーグとなると発表した[11]。
XFL | |
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今シーズン・大会: #2023年シーズン | |
競技 | アメリカン・フットボール |
創立 | 2001 |
オーナー |
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代表 | Dany Garcia |
会長 | Russ Brandon |
主催 | ドウェイン・ジョンソン |
開始年 | 2020 |
参加チーム | 8 |
国 | アメリカ合衆国 |
本部所在地 | チョクトー・スタジアム テキサス州アーリントン U.S. |
前回優勝 | アーリントン・レネゲイズ |
最多優勝 | アーリントン・レネゲイズ |
テレビ局 |
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関連大会 | USFL |
創立者 | ヴィンス・マクマホン |
公式サイト | XFL.com |
レギュラーシーズンは同一ディビジョン(2020年シーズンではカンファレンス、以下同様)内の3チームと2試合ずつを本拠地と相手本拠地で対決する。別ディビジョン内の4チームとは1試合ずつ対決し、その半分は本拠地、残りは相手本拠地で行う。各チームは10週間で10試合を行う。毎週土曜日に2試合、日曜日に2試合を行う。
プレーオフは各ディビジョンの一位と二位がディビジョンチャンピオンシップゲームを行ってディビジョンチャンピオンを決め、ディビジョンチャンピオン同士がチャンピオンシップゲームを行う。
NFLと比べて主に次のようなルールの差異がある。負傷のリスクを減らしながら接触プレイを増やし、かつ攻撃のバリエーションを増やし、ゲーム時間が短縮されるよう工夫されている。
ディビジョン内での順位は勝率で決定されるが、複数チームが同勝率で並んだ場合は以下のタイブレーカーが順に適用される。
3チーム以上が同勝率で並んだ場合も、上記のタイブレーカーを適用する。その結果でも複数チームが並んだ場合は上のタイブレーカーを再び適用する。
2024年のUSFLとの統合によるUFL (ユナイテッド・フットボール・リーグ)設立に伴い、8チームのうち3チームは消滅し、1チームは同じ本拠地のUSFLチームと合併してUFLに加わり、4チームはUFLに移動した。
チーム名 | 消息 |
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ノース・ディビジョン | |
DC・ディフェンダーズ (Washington DC Defenders) | UFLへ移動 |
シアトル・シー・ドラゴンズ (Seattle Sea Dragons) | 消滅 |
セントルイス・バトルホークス (St. Louis BattleHawks) | UFLへ移動 |
ベガス・バイパーズ (Vegas Vipers) | 消滅 |
サウス・ディビジョン | |
ヒューストン・ラフネックス (Houston Roughnecks) | USFLのヒューストン・ギャンブラーと合併しUFLへ移動 |
アーリントン・レネゲイズ (Arlington Renegades) | UFLへ移動 |
サンアントニオ・ブラーマス (San Antonio Brahmas) | UFLへ移動 |
オーランド・ガーディアンズ (Orlando Guardians) | 消滅 |
2020年シーズンとは3チームが入れ替わり、8チームによる同様のフォーマットで行われる。2020シーズンではイースタンカン・ファレンスとウエスタン・カンファレンスに分かれていたが、2023年シーズンはノース・ディビジョンとサウス・ディビジョンに分かれる。全チーム共通のファームチームであったTeam 9 は廃止された。スーパーボウル直後の2023年2月18日より開始された。2022年に復活したUSFLが4月15日から2年目のシーズンを始めたため、シーズンの一部は重なり競合した。
アーリントン・レネゲイズが初代チャンピオンとなった。
2022年ン11月15日から17日の3日間で行われた。各phaseごとにランダムに指名順が決められ、奇数の巡目ではその順に、偶数の巡目では逆順に指名が行われた。
2023年1月1日には、他のリーグとの契約が切れた選手などを対象に追加(サプリメンタル)・ドラフトが行われ、17巡で71人の選手が指名された。
ガーディアンズがニューヨークからオーランドに、バイパーズがタンパベイからラスベガスに移転し、活動停止したロサンゼルス・ワイルドキャッツの代わりにサンアントニオ・ブラーマスが加わった。シアトル・ドラゴンズはシアトル・シー・ドラゴンズに改称された。ダラス・レネゲイズはホーム・スタジアムはそのままにアーリントン・レネゲイズに改称された。
順位 | チーム名 | ホームスタジアム | 成績 | |
---|---|---|---|---|
ノース・ディビジョン | 勝 | 負 | ||
1 | DC・ディフェンダーズ (Washington DC Defenders) DC | アウディ・フィールド | 9 | 1 |
2 | シアトル・シー・ドラゴンズ (Seattle Sea Dragons)[13] SEA | ルーメン・フィールド | 7 | 3 |
3 | セントルイス・バトルホークス (St. Louis BattleHawks) STL | ドーム・アット・アメリカズ・センター | 7 | 3 |
4 | ベガス・バイパーズ (Vegas Vipers)[14] VEG | キャッシュマン・フィールド | 2 | 8 |
サウス・ディビジョン | ||||
1 | ヒューストン・ラフネックス (Houston Roughnecks) HOU | TDECU・スタジアム | 7 | 3 |
2 | アーリントン・レネゲイズ (Arlington Renegades)[15] ARL | チョクトー・スタジアム | 4 | 6 |
3 | サンアントニオ・ブラーマス (San Antonio Brahmas)[16]SAN | アラモドーム | 3 | 7 |
4 | オーランド・ガーディアンズ (Orlando Guardians)[17]ORL | キャンピング・ワールド・スタジアム | 1 | 9 |
シアトル・シー・ドラゴンズはタイブレーカーの5番目の条項によってセントルイス・バトルホークスを上回った。
ディビジョン・ファイナル(準決勝) 2023年4月29日・30日 | チャンピオンシップ(決勝) 2023年5月13日 | ||||||||
N1 | DCディフェンダーズ | 37 | |||||||
N2 | シアトル・シー・ドラゴンズ | 21 | |||||||
N1 | DCディフェンダーズ | 26 | |||||||
S2 | アーリントン・レネゲイズ | 35 | |||||||
S1 | ヒューストン・ラフネックス | 11 | |||||||
S2 | アーリントン・レネゲイズ | 26 |
ディビジョン・ファイナル(準決勝) | ||||||
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日付 | 開始時刻 |
アウェイ | 結果 | ホーム | スタジアム | |
4月29日 | 7:00 p.m. ET | アーリントン・レネゲイズ | 26 | 11 | ヒューストン・ラフネックス | TDECU・スタジアム |
4月30日 | 3:00 p.m. ET | シアトル・シー・ドラゴンズ | 21 | 37 | DCディフェンダーズ | アウディ・フィールド |
チャンピオンシップ(決勝) | ||||||
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日付 | 開始時刻 |
アウェイ | 結果 | ホーム | スタジアム | |
5月13日 | 8:00 p.m. ET | アーリントン・レネゲイズ | 35 | 26 | DCディフェンダーズ | アラモドーム |
2020年シーズンは10試合を行う予定であったレギュラーシーズンの半分で打ち切られた。レギュラーシーズン終了後、各カンファレンス内で1位と2位が戦うカンファレンスチャンピオンシップゲームを行い、その勝者同士がチャンピオンシップゲームを行う予定であった[18]。
2019年10月15,16日に行われた初ドラフトでは、ドラフト順は抽選によってきめられた。ドラフトの前、リーグ機構によって各チームにQBが一人ずつ分配された。他の選手は次のグループごとに指名された。
各チームは計71選手を獲得した[19]。
2019年11月22日、サプリメンタル・ドラフトが開催されてさらに66選手が選択された[20]。
その後、シーズン開始までに各チーム52選手までにカットされた。
チーム名 | ホームスタジアム | ||
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ウェスタン・カンファレンス | 勝 | 負 | |
ヒューストン・ラフネックス (Houston Roughnecks)[21] HOU | TDECU・スタジアム | 5 | 0 |
ダラス・レネゲイズ (Dallas Renegades)[22] DAL | グローブライフ・パーク・イン・アーリントン | 2 | 3 |
シアトル・ドラゴンズ (Seattle Dragons)[13] SEA | センチュリーリンク・フィールド | 1 | 4 |
ロサンゼルス・ワイルドキャッツ (Los Angeles Wildcats)[23] LA | ディグニティ・ヘルス・スポーツ・パーク | 2 | 3 |
イースタン・カンファレンス | |||
セントルイス・バトルホークス (St. Louis BattleHawks)[24] STL | ドーム・アット・アメリカズ・センター | 3 | 2 |
DC・ディフェンダーズ (Washington DC Defenders)[25] DC | アウディ・フィールド | 3 | 2 |
ニューヨーク・ガーディアンズ (New York Guardians)[26] NY | メットライフ・スタジアム | 3 | 2 |
タンパベイ・バイパーズ (Tampa Bay Vipers)[27] TB | レイモンド・ジェームス・スタジアム | 1 | 4 |
各チーム共通のファームチーム | |||
Team 9 | グローブライフ・パーク・イン・アーリントン |
Week | 日付※ | ホームチーム | スコア | ビジターチーム | 備考 |
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1 | 2月8日 | HOU | 37 - 17 | LA | [28] |
DC | 31 - 19 | SEA | [29] | ||
2月9日 | NY | 23 - 3 | TB | [30] | |
DAL | 9 - 15 | STL | [31] | ||
2 | 2月15日 | DC | 27 - 0 | NY | [32] |
SEA | 17 - 9 | TB | [33] | ||
2月16日 | LA | 18 - 25 | DAL | [34] | |
HOU | 28 - 24 | STL | [35] | ||
3 | 2月22日 | TB | 27 - 34 | HOU | [36] |
SEA | 12 - 24 | DAL | [37] | ||
2月23日 | STL | 29 - 9 | NY | [38] | |
LA | 39 - 9 | DC | [39] | ||
4 | 2月29日 | NY | 17 - 14 | LA | |
STL | 23 - 16 | SEA | |||
3月1日 | DAL | 20 - 27 | HOU | ||
TB | 25 - 0 | DC | |||
5 | 3月7日 | HOU | 32 - 23 | SEA | |
DAL | 12 - 30 | NY | |||
3月8日 | DC | 15 - 6 | STL | ||
LA | 41 - 34 | TB | |||
以降は打ち切り |
※日付は現地時間 日程参照:XFL.com
NFLのシーズンオフを利用し、2月からメジャーリーグ開幕直前の3月まで行われた。
NFLより過激かつエンターテイメント性の高い演出や、スカイカム(好評だったため、後にNFLでも採用)や選手や審判にカメラをつけてより迫力のある絵作りで開幕当初こそ高視聴率をマークしたが、試合のレベルの低さ(シーズン後半には大幅に解消したが)などにより、観客動員数の減少等、興行面での失敗が明白となり、わずか1シーズンで終了、解散した。
日本人選手としては唯一、関西学院大学OBの山田晋三がメンフィス・マニアックスでラインバッカーとしてプレーした。
イースタンディビジョン | 勝 | 負 |
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オーランド・レイジ (Orlando Rage) | 8 | 2 |
シカゴ・エンフォーサーズ (Chicago Enforcers) | 5 | 5 |
ニューヨーク/ニュージャージー・ヒットメン (New York/New Jersey Hitmen) | 4 | 6 |
バーミンガム・サンダーボルツ (Birmingham Thunderbolts) | 2 | 8 |
ウェスタンディビジョン | 勝 | 負 |
ロサンゼルス・エクストリーム (Los Angeles Xtreme) | 7 | 3 |
サンフランシスコ・ディーモンズ (San Francisco Demons) | 5 | 5 |
メンフィス・マニアックス (Memphis Maniax) | 5 | 5 |
ラスベガス・アウトローズ (Las Vegas Outlaws) | 4 | 6 |