AirStation One-Touch Secure System(エアーステーション ワンタッチ セキュア システム)は、バッファローが発売している無線LAN機器・AirStationに導入されている無線LAN設定システムである。一般的にAOSS(エーオーエスエス)と呼ばれる。後発であるNECアクセステクニカのらくらく無線スタートと共に二大無線設定システムとして知られ、らくらく無線スタート共々Wi-FiアライアンスにWPSを策定させる遠因となった。
2003年に発表された[1]。無線LANのアクセスポイント(親機)と端末(子機)の両方で同時にAOSSボタンを押すだけで簡単に無線LANのセキュリティなどの設定ができる。
ソニーの携帯ゲーム機PlayStation Portable(PSP)のインフラストラクチャモードを利用するときのアクセス先設定[2]や任天堂・ニンテンドーDSの「ニンテンドーWi-Fiコネクション」のアクセス先設定などにAOSSモジュールが組み込まれている。PlayStation 3(20GBモデルは無線機能なし)、PlayStation 4、Wii・Wii U・ニンテンドー3DS・PlayStation Vitaにも採用されている。
ちなみにバッファローが配布する無線LAN接続ソフト「ClientManager」のバージョン3からバッファロー製でない無線LAN端末でもAOSSで設定が出来るようになった。なお一つのSSIDには一つの無線暗号しか設定できないため、接続機器全てのうち、最も低い強度の暗号を選択する仕組みだった(たとえばCCMP(AES)方式の設定の中にWEPしか対応していないものを追加すると、全ての機器がWEPによるアクセスに変わる)が最近はマルチSSIDにより接続する機器それぞれに対して異なる暗号を設定できる機種が発売されている。なお、2009年以降のAirStationのAOSSボタンは、従来のAOSSに加えWPSにも対応している。
WPA2には対応しておらず、WPA-PSK-CCMP (AES)、WPA-PSK-TKIP、WEPに標準で対応している。
なお、AOSS/WPS両対応の場合はWPSが優先される。
パソコンに接続した子機からAOSSを利用するためのアプリケーションソフトウェア・ClientManager(クライアントマネージャ)は、Windows 98SE以降のデスクトップおよびノートパソコンのみの対応となっている。
非対応のPCでAOSSのネットワークに参加するためには、以下に挙げるような方法が必要である。
2012年6月6日に発表され[3]、それ以降に発売されるルーターの新製品に搭載される。パソコンがなくてもスマートフォンなどのAndroid・iOS端末だけで接続設定が行える。特にWPSすら対応していないiOSデバイスでは設定が飛躍的に簡単になる[4]。WindowsとmacOSにも対応している。Google Playに標準で対応していないAndroid端末は対象外。