D-dock(ディー・ドック)とは、パナソニックが発売するオーディオコンポのブランド名。 2005年11月発売。

特徴

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HDD内蔵タイプとSDステレオタイプがあり、いずれもSDメモリーカードに記録することができる。尚、SDメモリーカードへの記録、再生はSD-Audio規格に準規する。また、他社メーカーとは異なり、HDD内蔵タイプではAnyMusicでの音楽配信には対応していない。

かつては、同社のD-snapとの連携を強め、ダイレクトドッキング対応機種と直接接続できるドッキングポートが設けられていたが、最近ではiPodとの連携に力を入れており、D-snap廃止後に発売されたHC3/HC4/PM48ではiPodとのダイレクトドッキングに対応した。このうち、HC3とPM48はSDカードスロットを搭載しないモデルである。

全機種アナログ音声端子を搭載しており、カセットテープ・MD・レコード等の外部音源もSDカードに録音可能(登場当初はピンジャック式で入力に加えアナログ音声出力端子もあったが、2006年以降のモデルより3.5mmミニジャック化され同時にアナログ音声出力端子は廃止。現行機種のアナログ音声端子は全て入力のみ搭載)。

2011年モデル以降は全機種SDオーディオ非搭載。録再SDミニコンポはSC-HC40/PM870SDを最後に生産終了となり、現在のパナソニック製SDオーディオは「ビエラワンセグ」・「ディーガ(の一部上位機)」・ポータブルDVDプレーヤー「DVD-LX89(ワンセグTVチューナー内蔵、録画・録音機能は非搭載)」のみとなっている(再生のみで音楽の録音機能は全機種非搭載。ビエラワンセグとディーガはワンセグ録画機能のみ搭載)。

しかしビエラワンセグ(ポータブルビエラ)やディーガについても、「SV-ME970/870(2011年モデル)」及び「DMR-BXT970/870/BZT9600(2014年春夏モデル)」を最後にSDオーディオ録再機能は全廃されている。

モデル

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HDD搭載SDステレオシステム

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インターネットを経由して、CDタイトル情報を自動で取得する機能(Gracenoteデータベース)がある。全機種、SD、HDD、CDAM/FMを搭載している。

2005年モデル(2005年11月発売)
スピーカーは共通で、2Wayスピーカー(10cmコーン型ウーハー、6cmリングシェイプドドーム型ツィーター
2006年モデル(2006年9月発売)
D-snap(SV-SD800N・400V)をドッキングできるようになっている。SDHC対応。スピーカーは2Wayスピーカー(10cmコーン型ウーハー、6cmリングシェイプドドーム型ツィーター)
2007年モデル(2007年9月発売)
D-snap(SV-SD950N)をドッキングできるようになっている。Bluetoothを搭載し対応した携帯電話及びデジタルオーディオプレーヤーからのワイヤレス送信で音楽が楽しめる、また別売りのiPod用ユニバーサルドックの装着でiPodも接続可能。音の立ち上がりに優れ、高域が伸びる「竹繊維振動板」採用スピーカー搭載。

SDステレオシステム

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2006年モデル(2006年4月発売)
先代のPM710SD/PM910DVDの後継機種で、この機種にも「D-dock」のブランドネームが導入された。
2007年モデル(2007年4月発売)
このモデルからは対応の「D-snap」との連携を強化し、ダイレクトドッキングに対応。また、PM770SDは漢字表示対応のLCDディスプレイが装備された。また、このモデルから設定されたNS系列のNS550SDは既存のPM系列とは異なり、コンパクトな「スラントデザイン」を採用し、CDトレイは収納時に本体へ格納する設計の「エレベーターCDメカ」を装備した。
2008年モデル(2008年4月発売、NS570SDは2008年6月発売)
このモデルでは「よくばりコンポ」の愛称がつけられ、前年のPM770SDより仕様を落としたPM670SDと2006年モデルのPM910DVD以来の3Wayスピーカーを搭載したPM870SDの2機種を設定。さらに、2008年6月にはNS550SDの後継機種として、ヘアライン調仕上げのセンターユニットと木目調スピーカーを採用したNS570SDが追加された。

コンパクトステレオシステム

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ハイクオリティとコンパクトを両立したスタイリッシュモデル。

HDD内蔵2008年モデル(2008年9月発売)
前後にウーハーが配置され、クリアなボーカルを実現し、低音を増幅させるパッシブラジエーターも配置している。iPod専用USB端子付き。3.5型カラー液晶でSDカードの写真データを表示できる。HC7では、2007年のHDDモデルSX950に比べ、本体容積は約1/2、スピーカーは約1/5のサイズに小型化されている。

いずれも実用最大出力 40W、パッシブラジエーター型の3Wayスピーカーを搭載する。

2009年モデル(2009年4月発売)
iPodとのダイレクトドッキングに対応。対応機種であればiPodを本体に収納でき、iPodの液晶画面を見ながらのリモコン操作やiPodの充電が可能。また、オープン時にセットの外側に出ない左右電動スライドドアを搭載し、ACコードはサイドから引き出せるように配慮。放熱性能を高めた為、壁寄せ設置が可能となった。同年11月に新色のブルーが追加し、HC3が2色、HC4が4色展開となった。

いずれも実用最大出力 40W、バッシブラジエーター型の1Way 1スピーカーを搭載。

2010年モデル(2010年3月発売)
専用端子の装備により従来からのiPodに加え、iPhoneもダイレクトドッキング可能に。また、HC40ではiPhoneハンズフリー応答機能を搭載しており、本体やリモコンに付いた「通話キー」を押すだけで内蔵マイクによりドッキングしたまま通話できる上、再度「通話キー」を押してiPhoneを取り出しての通話も可能。また、竹繊維に羽毛をプラスして密度4倍に上げ、剛性を上げた新竹繊維振動板スピーカーと振動板にエッジを差し込む「インサートゴムエッジ」の採用で臨場感のあるクリアなボーカルを再現。HC40ではこれにネオジウムマグネットを追加したダブルマグネット構造にしたことで豊かな低音まで実現した。
AM/FMアンテナ端子は(2009年モデルまでの)後面から(正面から見て)左側面に移設され、付属AMループアンテナ線は(2009年モデルまでの)アース付き3線式からアース無し2線式に改められた。

いずれも実用最大出力 40W、パッシブラジエーター型の1Way 1スピーカーを搭載。

2011年モデル(2011年3月 - 4月発売)
本年以降のモデルより(SC-HC40を最後に)SDミニコンポ生産より撤退したため全機種SDオーディオ非搭載。AM/FM外部アンテナ端子は前作HC30/HC40の側面から後面へ移設(下向きに取り付け)。更に、HC05とHC55にはコンパクトステレオシステムで初のソフトドームツイーターを搭載している他に、Bluetoothリ・マスターを搭載している。また、iPod,iPhone,CDの音楽をフルデジタル伝送をすることが可能となり、これまでの機種より音質が向上している。
2012年モデル(2012年3月発売)
音の歪みを演算処理によって取り除き、濁りの少ないサウンドを実現する「ピュアダイレクトサウンド」を搭載。また、HC37/HC57では軽さと硬さを両立する竹繊維を使用することで剛性をアップし、クリアで臨場感のある音を実現する「新ナノバンブースピーカー」とクリアなボーカルと立体的な音場感が味わえるサウランドシステム「ダイレクトボーカルサラウンド」を搭載。さらにスライドドアを開けると手前方向に台座がせり出す「新ローティングメカ」も搭載され、ドッキングや取出しがよりスムーズになった。なおアナログ音声入力(AUX-IN)端子はこの代および2013年モデルでは廃止されている。

CDステレオシステム

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2009年からはSDカードスロットを省く代わりに、USBマスストレージ規格やUSB 2.0に対応したUSBメモリなどの機器で拡張子に「.mp3」もしくは「MP3」がある音楽を再生できるUSB端子を搭載したオールインワンのCDステレオモデルを設定している。PM48・PM500は対応のiPodとは天板にある専用端子で直接ドッキングできる(PM500はiPhoneもドッキング対応)。PM02はAUX端子経由でiPod・iPhoneの音楽も再生可能。

備考

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「D-dock」と名づけては無いSDミニコンポも存在する。(2021年9月現在)。☆印は2021年9月時点で発売されている現行モデル。

SDステレオシステム

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「D-dock」のブランドネームが付く前に発売されたモデル。当時、MDミニコンポとしては世界初となるSDメモリーカードに音楽を録音・再生できるSDカードスロットを搭載。

マルチメディアオーディオシステム

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ミニコンポとデジタルフォトフレームが一体となった新スタイル。9インチの大画面カラー液晶を搭載し、スライドショーはもちろんのこと、時計・カレンダー表示やオーディオ再生中のタイトル・インデックス表示もできる。音楽と写真の再生に特化したモデルであるため、SDカードへ直接録音する機能はないが、USB端子を搭載しており、パソコンと接続して、SD-Jukeboxから音楽データをSDカードに転送することはできる。

コンパクトステレオシステム

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ラインナップはHC27/HC37/HC57から引き継がれるが、2013年モデルでは「D-dock」を名乗らなくなり、本体右下に記されていた「D-dock」ロゴがなくなっている。また、iPod/iPhoneとはドッキングだけでなく、対応機器付属のUSBケーブルと接続して再生・充電させることができ、同様の方法でiPadでも再生・充電できる。HC38/HC58はBluetoothに対応したことでスマートフォンなどのBluetooth対応機器内の音楽をワイヤレスで再生できるようになり、さらに、伝送時の信号圧縮で失われた高域信号を演算補正して原音を再現する「Bluetooth リ・マスター」の搭載により、高音質も実現している。

2014年モデルはHC28とHC38をモデルチェンジし、歪みの少ない低音を効果的に再生する「XBS」に、低域部分を仮想再生する「H.BASS」と「帯域分割DRC」を組み合わせた「XBS Master」を搭載。さらにHC29は実用最大出力をHC28の2倍となり、新たにBluetoothに対応、HC39は後述のSC-PMX9に搭載されている「LincsD-Amp」を改良し、「歪み補正PWMモジュレータ」に新アルゴリズムを導入したことで歪みの補正精度を高めた「LincsD-Amp II」を搭載したほか、ナノサイズに微細化した竹繊維を加えたことで剛性を高めた「ナノバンブースピーカー」とダイナミックな重低音を響かせる「Wパッシブラジエーター」を搭載し、スリムサイズながらハイクオリティなサウンドを実現した。なお、この2014年モデルよりアナログ音声入力(AUX-IN)端子が復活しているが代わりにヘッドホン端子が廃止となっている。

2015年モデルは追加モデルとしてALL5CDを発売。搭載されているWi-Fiを利用して家庭内の複数の機器で同時に音楽を再生する技術「AllPlay」に対応しており、同じネットワークで接続されたスマートフォンやパソコン、他の「AllPlay」対応機種と連携し、それらの機器で保存されている音源を本機種でアクティブスピーカーとして使用することができるだけでなく、インターネットラジオや音楽配信サービスの音声を聴くことも、本機種で再生しているCDなどの音を他の「AllPlay」対応機種へ送信することも可能である。また、非圧縮で伝送するため高音質を実現するとともに、最初にWi-Fi接続設定を済ませておけば、次回以降は設定操作不要で使用できる。音質面も強化し、Sampling Rate Converterに新たな制御アルゴリズムを導入することでクロック再生成やジッター補正を高精度化し、歪み補正ノイズシェーパのアルゴリズム最適化によって広帯域にわたり歪み特性を改善する「LincsD-Amp III」を搭載したほか、HC39同様に、「ナノバンブースピーカー」と「XBS Master」も搭載した。

2016年モデルは新たにNFC(近距離無線通信)に対応したことで、NFC対応スマートフォンならタッチ操作のみでBluetooth接続が完了できるほか、圧縮音源によって失われた高域信号を演算処理(DSP処理)によって補正する「MP3 リ.マスター」と、音楽ジャンルやラジオ放送に応じて音質を設定できる「マイサウンド設定」を搭載。また、FM放送AMラジオの番組の聴取が可能なワイドFM(FM補完放送)に対応した。

2017年モデルは追加モデルとしてHC1000を発売。長さ225mmの曲線状のポート「ツイステッドポート」を採用するとともに、スピーカー容積の効率化やマグネット強化を行ったことで奥行102mm、横幅420mmのコンパクト・スリムボディながら高音質の再現が可能。また、4GBの内蔵メモリーを搭載しており、5つの「お気に入りボタン」に各1枚分ずつ・最大5枚分のアルバムを録音し、ワンボタンで録音したアルバムを再生可能な「デジタル5チェンジャー」を搭載。内蔵メモリーで再生することでCDドライブの駆動音やモータノイズなどの不要な雑音が排除されるので、CDサウンドがより高音質になるメリットがある。また、「サウンドジャンプリンク」や「Spotify」に対応しており、ディーガに保存した音楽やストリーミング配信の音楽を再生する際のアクティブスピーカーとして使用することができ、ALL5CD同様に「AllPlay」にも対応している。同年10月には、HC395の後継となる中位機種HC400を追加。ワイヤレス再生機能で「サウンドジャンプリンク」・「Spotify」・「AllPlay」が非対応となり、Bluetoothの対応のみとなる点、カラーバリエーションが異なる点(HC1000はブラックとシルバーに対し、HC400はブラック・ホワイト・レッド)を除き、主要機能はHC1000と同等である。

2018年モデルはHC1000の後継モデルとなるHC2000を発売。「Chromecast built-in」や「Googleアシスタント」に対応したことで、各種音楽ストリーミングアプリから高音質を保ったまま直接キャストすることが可能となり、「Googleアシスタント built-in」に対応製品からの音声操作に対応した。

2019年モデルはHC400の後継モデルとなるHC410を発売。設置場所に合わせて、FREE(周辺に何もない)・NEAR WALL(壁際に設置)・CORNER(コーナーに設置)の3つのプリセットで切替が可能な「設置スタイルEQ」が搭載された。

2021年モデルはHC410の後継機種となるHC420とHC320の2モデルを発売。2モデル共に、USBメモリーの再生に加えてラジオ・CD・外部入力からUSBメモリーへの録音も可能となり、タイマー録音も可能。HC420はカラーバリエーションが刷新され、HC410のブラウン、ホワイトからブラック、シルバーとなった。HC320は横幅409mm・高さ198mmのコンパクト設計で、スピーカーネットにメタル素材を採用。本体にメモリーを内蔵していないため「デジタル5チェンジジャー」が非搭載となるほか、実用最大出力は20Wとなり、HC420に搭載されている「設置スタイルEQ」や「クリアサウランド」は非搭載となる。また、リモコンもHC420用に比べてボタン数が少ない小型タイプとなる。

2013年モデル(2013年4月発売)
2014年モデル(2014年5月発売)
2015年モデル(2015年7月発売)
2016年モデル(2016年2月発売)
2017年モデル(2017年5月・10月発売)
2018年モデル(2018年6月発売)
2019年モデル(2019年5月発売)
2021年モデル(2021年3月発売)

CDステレオシステム

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CDステレオシステムに関しても、2013年に発売されたSC-PMX9以降のモデルで「D-dock」を名乗らなくなり、本体に記されていた「D-dock」ロゴが無くなっている。

関連項目

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外部リンク

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