MALICE MIZER
基本情報
出身地 日本の旗 日本
ジャンル
活動期間 1992年 - 2001年
事務所 Midi:Nette
公式サイト http://www.malice-mizer.co.jp/
旧メンバー
Közi, Yu~ki & Mana 2016

MALICE MIZER(マリスミゼル)は、日本ヴィジュアル系ロックバンド1992年8月結成、2001年12月31日をもって活動休止。バンド名の由来は「悪意と悲劇」という意味を持つフランス語[3]。主な略称は「マリス」が用いられる。公式ファンクラブは「ma chérie」。

概要

ヴィジュアル系バンド(MALICE MIZER)のコスプレ
左からManaのコスプレ、Yu~kiのコスプレ、Köziのコスプレである。

ほぼ同時期にメジャーデビューをしていたSHAZNAFANATIC◇CRISISLa'cryma Christiと共に「ヴィジュアル系四天王」とされていた[4]

発表された曲のいずれもオリコンランキングチャートの上位にランクイン[5]するヒットを飛ばし人気を博し順風満帆に思えたが、1998年12月にフロントマンであるヴォーカルのGacktが突如行方不明になる。ワイドショーやメディアでは「雲隠れ」と報道された。理由は後にGacktが「メディア出演では僕の出番が増える度に孤立していった。メンバーが『Gackt対4人』に分かれ、誰も仲介・フォローに入らなかった」「加入前に経験したお金の問題で、僕が犯した過去の失敗を繰り返さないように何回も話したが伝わらなかった」「最後のミーティングで、メンバー全員と事務所の社長から『お前とはもうやれない』と言われた。『どうやってGacktのいるMALICEを終わらせるか』という話になった時、『CDを出せばいい』と言われ、『ファンを舐めるな!』と一喝して出て行った」「お金の問題・自覚の違い・『やらなければいけない』という強迫観念が色々重なって悪循環になった。皆どこか病んでいたから仕方なかった」と語っている。しかし、「未だに僕の誇りであることには変わりはない。バンドとして色々表現していたことにプライドを持っているし、メンバーも非常に個性的だった」と複雑な心境を告白した[6]

1999年1月にファンクラブ広報でGacktを除いたメンバーにより正式に脱退が発表された。さらに同年6月21日、ドラムのKamiが病気で急逝。その後、しばらく3人での活動となり、2000年7月にMALICE MIZER初期の頃よりライヴでのサポートや親交のあったKlahaが「白い肌に狂う愛と哀しみの輪舞」でサポートヴォーカリストとして参加。その後、同月に正式に3代目MALICE MIZERヴォーカリストとして加入。着実にCDのセールスを上げ、他方映画出演などの活動の幅を広げていたが、2001年12月に「各メンバーの自由な活動展開を」との考えから音楽活動を停止した。

2009年と、2010年から2年おきにManaとKöziにより「Deep Sanctuary」と銘打ったイベントが開催され、結成からのメンバー3人を中心としてMALICE MIZERの曲を演奏する機会が設けられている。

音楽性

「ツインギターが2台のチェンバロを演じて、そこにフーガ対位法をふんだんに取り入れた楽曲作り」[7]「『人間、きれいで美しいファンタジーな世界の裏にある毒・悪・醜いもの』とは何かを調べて、それらを見える形に具現化して、音で表現する」[8]「楽曲を活かす形で歌劇の様なストーリー性のある絢爛なライブを行う」[9]というコンセプトを持ち、楽曲・衣装・メイク・ステージセットにおいて独自の世界観を徹底した奇抜なパフォーマンスで知られた。そのため、「究極のヴィジュアル系」「総合芸術集団」などと巷で称され、TVやラジオ等のメディアにも精力的に出演し一部で社会現象を起こした。

楽曲の大きな特徴はクラシック音楽とロックを巧みに織り交ぜた点にある(メンバーの多くが幼少期にクラシック音楽に触れていたことによる)。衣装は中世ヨーロッパのような特徴を織り交ぜたものが大半を占める。

制作クレジットでは、「作詞:○○」「作曲:××」と個人名での表記だが、実際は最終的なアレンジについてのメンバー間のやりとりが綿密に行われ、時にはデモテープに収録された段階の原曲とは全く違う楽曲が出来上がる場合もあった[10]

ライブにおいて、曲によっては楽器を演奏せず踊ったりと演劇要素を取り入れて、幻想的なライブを行うのが魅力の一つであった。しかし、初代ヴォーカルのTetsuはロックバンド指向の強い人物であったため、そういったパフォーマンスやメイクで活動を続けることに抵抗があり、脱退することとなった。

イメージ戦略

楽曲の世界観を表現するため曲によっては白塗りのメイクをしている。メジャーデビュー期からはメンバー毎にイメージカラーが決まっており髪色や衣装、楽器に反映されているが、楽曲や時期によっては厳密に定まっていない。

二代目ヴォーカルにGacktが加入する際、Gackt自身はメンバーに「ステージで空を飛びたい」と語り、メンバーに対し強い意欲を見せ、これが加入決定の決め手になった。また、活動当時は電球を使わず蝋燭を照明として使用する、家具をロココ調で揃えていると公言するなど公私に渡ってバンドの世界観を徹底させていた。

ファンの俗称は「ミゼラー」、また三期からは「血族」という呼称が公式に使用され、メンバーとファンの双方を表す言葉となっている。

リーダーであるギターのManaはファンから「Mana様」の愛称で呼ばれ、表舞台では徹底して喋らない(トークイベントなどの際には、隣に「通訳」として人員を置き、「耳打ち」やジェスチャーによって通訳係の口から間接的に発言する)。

活動休止時メンバー

メジャーデビューと同時にメンバー毎にイメージカラーが出来たが、厳密なものではない。

   イメージカラーはブラック。(活動停止後にソロ活動を始めたが現在は消息不明)

   イメージカラーはブルーやグリーン。(現在はMoi dix Moisにて活動中)

   イメージカラーはレッド。(現在はZIZにて活動中)

   イメージカラーはイエロー、オレンジ[14]。(現在は継続的な音楽活動はしていない)

 

  イメージカラーはパープルやピンク。(加入前はKneuklid Romanceに所属)旧名:右狂(ウキョウ)および神村右狂(カミムラ ウキョウ)

過去に在籍したメンバー

MALICE MIZER→MEGA8BALL→ZIGZOnil ※脱退以降はノーメイクスタイル・本名の"高野哲"名義での活動となり、2012年よりZIGZOとしての活動を再開)

   イメージカラーはブラック。別称:神威楽斗、Gackt.C(かむいがくと)(現在はソロ歌手、俳優、声優として活動中)

サポートメンバー

主な関係者

島田陽平 - 編曲家、ピアノ調律師。「Voyage」からメジャー活動期にキーボード、編曲で参加[17]。後にGacktソロ初期の編曲にも携わる(各クレジット参照)。

大場由香里 - コスチュームデザイナー。初期から衣装制作を担当(他に氷川きよしTHE ALFEE高見沢俊彦DAIGOD'espairsRayなども手掛ける)[18]

Shuji(石井秀二) - 初代ローディ―を務めた。(現在はcali≠gari / GOATBEDで活動)[19] 

KAMIJO - ローディーを務めた。(元LAREINE、現在はVersaillesで活動)[19] また、LAREINEの他メンバーもKAMIJOと同様にローディーをしていた。

Hitomi - ローディーを務めた。(元Moran、現在はウミユリ名義でソロとして活動)[19] 

略歴

作品

シングル

発売日 タイトル 規格 備考
第1期
1st 1992年10月31日 SANS LOGIQUE デモテープ 全4曲、1stライブにて配布
2nd 1993年4月5日 SADNESS 全1曲、初の大阪ライブにて配布
3rd 1993年10月12日 THE 1TH ANNIVERSARY 全2曲、1周年記念ライブにて配布
第2期(インディーズ)
1st 1995年12月10日 麗しき仮面の招待状 マキシシングル シークレットトラック収録
2nd 1996年10月10日 ma chérie 〜愛しい君へ〜 ファンクラブ開設記念シングル
特殊ブック仕様ジャケット
第2期(メジャー)
1st 1997年7月19日(初回盤)
1997年8月6日(通常盤)
ヴェル・エール 〜空白の瞬間の中で〜 8cmシングル c/wの「COLOR ME BLOOD RED」はKöziがヴォーカル担当。
2nd 1997年12月3日 au revoir 初回クリスタルカードケース・ポストカード付
3rd 1998年2月11日 月下の夜想曲 初回特殊紙仕様ジャケット
4th 1998年5月20日 ILLUMINATI 初回ミラージャケット
5th 1998年9月30日 Le ciel 〜空白の彼方へ〜 初回限定スペシャルワイド・ジャケット
第3期
1st 1999年11月3日 再会の血と薔薇 マキシシングル 特殊ブック仕様ジャケット

アナログピクチャー版限定3万枚同時発売

2nd 2000年5月31日 虚無の中での遊戯 特殊ブック仕様ジャケット
3rd 2000年7月26日 白い肌に狂う愛と哀しみの輪舞 特殊ブック仕様ジャケット
4th 2001年5月30日 Gardenia 初回スリーブケース・ステッカー付
5th 2001年6月21日 Beast of Blood
6th 2001年10月30日 真夜中に交わした約束〜薔薇の婚礼〜 CD&DVDセット
7th 2001年11月30日 Garnet〜禁断の園へ〜

アルバム

発売日 タイトル 備考
第1期
1st 1994年7月24日 memoire 初回版3000枚限定
1994年12月24日 memoire DX ボーナストラック追加DX仕様
第2期
1st 1996年6月9日 Voyage Sans retour 初回5000枚予約限定販売
Box仕様 ブックレット付
2nd 1998年3月18日 merveilles 初回A5サイズ特殊ブック仕様ジャケット
2005年10月5日 La Collection merveilles -L'édition Limitée- CD+DVD豪華版オルゴール付
第3期
1st 2000年8月23日 薔薇の聖堂 初回A5サイズ特殊ブック仕様ジャケット

ベストアルバム

発売日 タイトル 備考
1st 2004年10月1日 La Collection des Singles -L'édition Limitée- ベストBOX 5000セット限定販売
2006年7月19日 La Collection des Singles CD+DVD通常盤
2nd 2006年10月18日 La meilleur selection de MALICE MIZER ファン投票の結果により選曲

その他

VIDEO

BOOK

タイアップ一覧

使用年 曲名 タイアップ
1998年 月下の夜想曲 TBS系『江川の食卓』エンディングテーマ
ILLUMINATI 読売テレビ日本テレビ系『ダウンタウンDX』エンディングテーマ
2000年 虚無の中での遊戯 日本テレビ系『号外!!爆笑大問題』エンディングテーマ
2001年 真夜中に交わした約束 ギャガ配給映画『薔薇の婚礼〜真夜中に交わした約束〜』主題歌

出演

映画

テレビ番組

地上波での音楽番組出演はあまり無かったが、一方で笑っていいとも!のテレフォンショッキングやハンマープライス王様のブランチなどバラエティ番組にも出演している。(「とんねるずのハンマープライス」では「MALICE MIZERのメンバーが貴方の家を「マリスの館」にしてくれる権」を出品した。)

メジャーデビュー後間もなく「MALICE MIZER」単体にスポットを当てた特別番組があり、当初からメディアに強烈なインパクトを与えたバンドだったと言える。また、後に放映されたものも含め、MALICE MIZERの特別番組は全てDVDとして発売されている。

ラジオ番組

10th Anniversaryファン投票

結果

  1. ma chérie 〜愛しい君へ〜
  2. ヴェル・エール 〜空白の瞬間の中で〜
  3. 月下の夜想曲
  4. au revoir
  5. Le ciel

その他

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c d e f Malice Mizer|Biography - Allmusic・2014年8月24日閲覧。
  2. ^ a b c Malice Mizer reviews, music, news - sputnikmusic・2015年3月16日閲覧。
  3. ^ 「1990-2000 Cross Talking* Mana(MALICE MIZER) + Lucifer Luscious Violenoué(fiction)」. 『J-ROCK magazine』, No. 57, pp. 57-59, ジェイロックマガジン社, Osaka, 2 2000.
  4. ^ 【V系】ヴィジュアル系はもう「終わり」?「2012年のV系を振り返る」第3回(ゲスト:NoGoD 団長) -”. CyberAgent, Inc. (2012年12月31日). 2013年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月17日閲覧。
  5. ^ ファーストアルバム『merveilles」はオリコン初登場時2位と言う結果ながら、その後のインタビューでManaは「一位じゃなければ意味が無いですよ」などと語っている。
  6. ^ 光文社刊「女性自身」2003年7月8・15日合併号「今だから明かすマリスミゼル脱退の真相!『僕は孤立した…大金がメンバーを狂わせた』」pp.38-39より。
  7. ^ フールズメイト刊「FOOL'S MATE」2000年8月号「MALICE MIZER 視覚と感性の戯れ」p.165より。
  8. ^ メディアファクトリー刊「ダ・ヴィンチ」1999年3月号「Mana Malice Mizer INTERVIEW 過去、興味があったことや好きなことって、結局は今の自分に結びついてるんです」p.14より。
  9. ^ 角川書店刊「CDでーた」1997年8月5・20日合併号「'97年期待のジャンルを超える!音楽シーンをぬりかえる! NEWCOMER 25」p.134より。
  10. ^ ソニー・マガジンズ刊「PATi PATi」1998年3月号「『月下の夜想曲』秘話。」p.89より。
  11. ^ 本人のTwitterのプロフィール欄より。https://mobile.twitter.com/M_d_M_official
  12. ^ 本人のTwitterのプロフィール欄より。https://mobile.twitter.com/kzi_official
  13. ^ 本人のTwitterのプロフィール欄より。https://mobile.twitter.com/Mother_of_Life_
  14. ^ 1998年放送のPop File内の発言より
  15. ^ ManaのTwitterより。「2.1 H.B Kami!」https://mobile.twitter.com/M_d_M_official/status/1223259702139555840
  16. ^ Moi dix Mois Twitter(現在メンバーとして活動するMana名義のツイート)」『Twitter』。2018年7月26日閲覧。
  17. ^ 「JCAA(一般社団法人 日本作編曲家協会)今月の作家 NO.27」 2003年10月30日 2021年2月2日閲覧
  18. ^ 「Mana様×大場由香里 - Moi-meme-Moitie Online Shop」2021年2月2日閲覧
  19. ^ a b c 「Kamiも降臨しています」(【ライヴレポート】MALICE MIZER<25th Anniversary Special>, 2018年10月12日

外部リンク