『merveilles』 | ||||
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MALICE MIZER の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ヴィジュアル系 | |||
時間 | ||||
レーベル | 日本コロムビア | |||
チャート最高順位 | ||||
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ゴールドディスク | ||||
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MALICE MIZER アルバム 年表 | ||||
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『merveilles』収録のシングル | ||||
『merveilles』(メルヴェイユ)は、MALICE MIZERのメジャー1枚目のアルバムであり、2期2枚目のアルバムでもある。1998年3月18日に発売。
初回限定盤はBOOK型ケース仕様。
「ヴェル・エール 〜空白の瞬間の中で〜」発売直後にGacktがプライベートで親交のあった人を亡くした時に、「自分の中の『空白』『隙間』も表現することを生業とするのが人間の性であり、逆にそれくらいしか僕にはできない」と悟った時に「merveilles」というキーワードが浮かび、そこからメンバー5人で広めていった[1]。最終的に出来上がった全体的なコンセプトは「時間軸を超えて、あらゆる現在・過去・未来を行き来する物語」である。但し、歌詞の舞台はリアルタイムの世の中にある世界はそのまま切り取らず、おとぎの世界・中世・未来世界を基本にした[2]。
アルバムタイトルはフランス語で「不思議」「驚異」という意味である[3]。
前作「Voyage 〜sans retour〜」の時は「左右の音が基本にあって、それをどう振るか」という音響設計だったが、今回は「音をどこに置いて、立体的に色々な音が飛び交っている様にするか」「1個1個の音色作りを大切にする」「定位まで考える」ことを意識した。メンバーは客観的に音を聴いた島田陽平から様々なアドバイスを受けた[4]。Yu〜kiはその模様を「時間があったらずっとレコーディングしそうな位、音色にこだわりました」と回想している[5]。
Gacktの発案で楽曲の要所で人のつぶやき・鳥の鳴き声・逆回転にした音が入っている。Gacktは「回想シーンをイメージした上での演出」と話している[6]。
ギターに使用されるアンプは1機のみだが、エフェクターはワウペダル・ワーミーペダル等を試した。そこから音を0から作り出していき、弾き方も変えていった。その他にも「レコーディングの段階でひらめいたアイディアを、どう楽曲本来のイメージに近づけるか」に大変な試行錯誤を行った[1]。
Kamiは先行シングルの「ヴェル・エール 〜空白の瞬間の中で〜」「au revoir」で部分的に録り直したことを不本意に思っていたが、今回全体的にドラムパートを通して再録することを達成できた[1]。
Manaの「全てが生音で良いわけがない」という意向から、ストリングスパートは生音と打ち込みを両方起用し、場所によって使い分けている[6]。
「別の楽器でも、全体の構成を十分に表現できる」という理由から、ギター・ドラムが一切使用されていない曲がある[1]。
アルバム制作に対してのレコーディングのスケジュールは計2週間。その中から、メンバーは「自分たちができること」「ファンにどれだけのものが届けられるか」を念頭に置きながら臨んだ[3]。