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開発元 |
![]() Opera Software ASA | ||||||||||||||||||||||||
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初版 | 1996年12月9日[1] | ||||||||||||||||||||||||
最新版 [±] | |||||||||||||||||||||||||
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最新評価版 [±] | |||||||||||||||||||||||||
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プログラミング 言語 | C++[20] | ||||||||||||||||||||||||
使用エンジン |
Elektra(4〜6) Presto(7〜12) WebKit(HTML レンダリング、14、Opera Ice、Coast) Blink(HTML レンダリング、15以降) V8(JavaScript、14以降) | ||||||||||||||||||||||||
対応OS | Windows / macOS / Linux / FreeBSD / Solaris / 他 | ||||||||||||||||||||||||
プラットフォーム | クロスプラットフォーム | ||||||||||||||||||||||||
対応言語 | 55 言語[21] | ||||||||||||||||||||||||
サポート状況 | 開発中 | ||||||||||||||||||||||||
種別 | ウェブブラウザ | ||||||||||||||||||||||||
ライセンス | プロプライエタリ | ||||||||||||||||||||||||
公式サイト |
www |
Opera(オペラ)は、ノルウェーのソフトウェア開発会社、オペラ・ソフトウェア (Opera Software ASA) によって開発されているウェブブラウザである。法人としてのオペラ・ソフトウェアは、2016年7月、中国の奇虎360に6億米ドルで売却され同社の傘下に入った[22]。
クロスプラットフォームなソフトウェアとして開発されており、デスクトップ版はWindowsやmacOS、Linuxなどのオペレーティングシステムに対応している。また、携帯機器・デジタル家電などへの組み込みにも適しており、2000年代にはニンテンドーDSやWiiなどの各種ゲーム機、ハイビジョンテレビ、携帯電話(フィーチャーフォン)などに幅広く採用された。スマートフォン・タブレット(Android・iOS)向けの製品も提供されている。
コンピュータ用Opera[23]の対応OSはBeOS、Linux、FreeBSD、Solaris、macOS (Intel Mac) と16ビット及び32ビットのWindowsの各オペレーティングシステム。バージョン12より、64ビット版 (Windows, Mac OS X) を提供していたが、バージョン15以降HTMLレンダリングエンジンの変更に伴い廃止された。
単一ウィンドウ上でタブの切り替えを行うことで複数のWebページを閲覧できるタブブラウザの、草分け的存在である。
厳密にはタブ方式ではなくMDI方式を採用しているが、バージョン8から他のタブブラウザに近い表示形式(各タブに閉じるボタンが表示される)がデフォルトで採用されている。どちらの場合も開いているタブ(子ウィンドウ)を並べたり重ねたりして同時に表示したり、タブを別のウインドウへ移動したりするなど、さまざまな使い方が出来るようになっている。そのため任意の操作で開かれるポップアップウインドウを素早く表示したり、ウインドウのリサイズを行ったりというJavaScriptによるさまざまなウインドウ操作にも対応している。
またタブにマウスカーソルをポイントするとページの縮小画像(サムネイル)がポップアップする機能や、閉じたタブの一覧を表示し再度呼び出せるボタンもある。近年[いつ?]Internet Explorer 7以降やFirefoxなどタブブラウジングに対応したブラウザが大きなシェアを占めるようになったが、タブブラウジングに関するOperaの独自性は薄れていない。
NetscapeやInternet Explorerを始めとした多くのブラウザは、初期にNCSA Mosaicを受け継ぐ形で開発されたのに対し、Operaは最初のリリースから独自に開発されてきた[24]。このためNetscape/Mozilla、Internet Explorerに続く「第3のブラウザ」と呼ばれることがある。[25][26][27]
後述するように、Acid2への合格などW3Cの勧告に準拠するよう努力した製品であるが、同時に他製品との互換性に配慮している部分も多い。例えば、Internet Explorerに特化して記述されたサイトにも、限定的にではあるものの対応できるようになっている(ActiveXやVBScriptなどには非対応)。
また、ウェブスタンダードプロジェクトが作成したAcid2をVer.9β版のWindows版Weekly buildで2006年3月10日にクリアしている。バージョン9.5(開発コードネーム:Kestrel)ではレンダリングエンジンを大幅に改良し、CSS3やSVGのサポートの向上、ECMAScript4準拠の新しいJavaScriptエンジンを搭載して、標準勧告に準拠していないWebページも適切に表示しつつ、全体の動作スピードの高速化を図った。さらにその後のバージョン10(開発コードネーム:Peregrine)ではAcid3テストをクリアし、さらなる機能追加や改善をした。
メジャーバージョンアップのたびにウェブ標準やInternet Explorerとの互換性を向上させているが、ウェブサイト側でユーザーエージェントなどを判別してメジャーなブラウザのみに対象を絞っていることが原因で、表示に問題が出たり正常に機能しない場合がある。Operaはユーザーエージェントの偽装が可能だが完全に対処できるわけではない。
なお、表示できる文字種に関して、追加面における制限があり、Windows 7でのバージョン12.02(2012年9月現在)日本語版を例に挙げると、デフォルトの環境ではJIS X 0213に当てはまる部分は正常に表示できるものの対応フォントの指定が効かず、したがってデフォルトで表示できない追加面の文字を表示させることができなくなっている。
携帯機器向けOpera(Opera Mobile / Opera Miniなど)に採用されている、小型の画面にレイアウトを乱すことなくPC向けのウェブサイトを表示する独自の技術「スモール・スクリーン・レンダリング」技術を使ったモードがデスクトップ版(バージョン7以降)にも搭載され、携帯電話等での表示をシミュレートすることが可能。また、これを応用した「ミディアムスクリーンレンダリング」が、バージョン8以降に搭載された。このモードは、ウィンドウの幅に合わせてページレイアウトを極力違和感なく自動調整するもので、ウィンドウの幅が狭い場合でも水平スクロールバーを使わずに済むようにできる。
10年前のパソコンでも動くことを目指して、プログラムコードをある程度小さくまとめることで高機能と軽量化・高速化の両立を図っているため、性能の低いマシンや古いOSを搭載したマシン(Windows 95など[31])でも比較的高速な動作を実現できる。[32][33]
メモリキャッシュ機能を搭載しており、戻るボタンを使用する際にHDD上のキャッシュファイルにアクセスすることなく最近表示したページを瞬時に再表示できる。前述のようにPrestoエンジンも高速な動作に寄与しており、世界最速を謳う[34]。
USBメモリなどに導入し、自分のパソコン以外でもポータブルアプリケーションとしてOperaを利用できるよう、機能の一部の変更や削除がされているOpera@USBやOpera Portableなどのソフトウェアが有志の手により非公式に提供されている(ただし、前述の通り正式版でもバージョン11からはスタンドアローンインストールが可能)。Opera本体に追随する形で開発が進められるが、非公式であるためバージョンアップの提供はOpera公式版よりも幾分遅れるようになっている。
2013年2月13日、Opera Software ASAはレンダリングエンジンとしてのPrestoの開発とOpera Browserでの使用を終了し、今後のリリースにおいてはOpera BrowserをChromiumベースで作り直し、使用するレンダリングエンジンもWebKitに変更すると発表した[38][39][40]。しかし、わずか2か月後の4月にGoogleがChromiumのレンダリングエンジンをBlinkに変更することを表明したため、Operaもこれに追随することになった[41][42]。
Chromiumベースで作り直されたデスクトップ版のOpera 15の最初のベータ版は2013年5月に、最初の安定版は2013年7月にリリースされた(Windows・Macのx86版のみ)。デスクトップ版ではバージョン13および14は欠番となったが、14はごく短期間、WebKitベースのOpera for Androidのバージョン番号として使われた。
新要素には以下のようなものがある[43]。
Opera 12以前に搭載されていた以下のような機能は削除された。
一部の機能は今後再実装する計画がある[45]。Opera Linkは削除されたが、同等の機能がOpera 28以降利用可能となった[46][47]。
2006年2月13日以降リリースされている評価版はスナップショット (Snapshot) と呼ばれる。以前はWeekly Buildと呼ばれ、毎週金曜日にリリースされていた。機能の改善などを目的にテストリリースされている。何よりも最新のプログラムコードで書かれたバージョンである反面、バグなどのチェックは全く行われていないアルファ版に当たるため、オペレーティングシステムなどに悪影響を及ぼす可能性もある。初心者や一般ユーザーは使用すべきでない。
2011年5月にリリースされたバージョン11.50のアルファ版から「Opera Next」と呼ばれる新しい評価システムが導入された[48]。従来も複数のバージョンを別々にインストールすることは可能であったが、Opera Nextはロゴやボタンの色が変更され、安定版(Stable)との区別がつけやすくなっている。
Opera Nextはベータ版やリリース候補版にあたり、Opera Nextでバグの少ないバージョンがそのまま安定版としてリリースされることもある(その場合、ロゴやボタンの色は正式版のものに変更される)。
従来のアルファ版に当たるものは「Opera Labs」と呼ばれるようになった。Opera Labsは「Opera browser」公式ページから直接ダウンロードリンクされておらず、12.00 alpha以前は英語版のみだった。
2013年のOpera 15以降では、安定版・Opera Next・Opera Developerの3段階でリリースする方針となった[45]。Opera Developerは安定版ともOpera Nextとも異なるロゴやボタンの色が使用される。
モバイル向けにリリースされているOperaには、Opera MobileとOpera Miniがある。
両者の大きな違いは、サイトのレンダリング方法である。Opera Mobileは、デスクトップ版のレンダリングエンジンを純粋に移植した、ネイティブで動作するフルブラウザだが、これに対しOpera MiniはJavaベースで動作し、また自前でのレンダリングエンジンを持たない。Opera Miniでは、あらかじめOperaのサーバ側でサイトのレンダリング処理を行い、圧縮を行った上で端末に転送している(どちらでも前述のスモール・スクリーン・レンダリングが適用できる)。
このため、「レンダリングエンジンを搭載しているため(Opera Miniに比して)ハイスペックが要求されるが、豊かな表現力・自由度を持つOpera Mobile」と、「細かいカスタマイズはできないが、軽快に動作するOpera Mini」という違いがある。
具体的には、Opera MobileではJavaScript・HTML5・Flash[49]が活用できるのに対し、Opera MiniではJavaScriptに一部制限があり、HTML5・Flashには対応しない[50][51]。その代わり、Opera Miniではレンダリング結果自体の圧縮により、Webページの圧縮率は最大10%を謳っている[52]。Opera Mobileではデスクトップ版と同様のOpera Turbo(前述)を利用できるものの、圧縮率は最大80%に留まる[52]、など。
対応する機種も異なる。Opera Mobileは、デバイスにプリインストールされているもの以外ではAndroid、S60、Windows Mobile[53]を搭載したスマートフォン・タブレットで利用可能である。Opera Miniでは前記のものに加え、Java MEの実行ファイル(JAR形式)として入手できるほか、iOS(iPhone・iPadなど)、BlackBerry向けのバージョンがある。Opera Miniについては、Java MEを搭載していれば一部フィーチャーフォンでも利用可能である。
日本では2004年5月に、DDIポケット(現ウィルコム)のAIR-EDGE PHONE端末・AH-K3001V(京セラ製)に、国内で発売される携帯電話・PHSとしては初めてOpera Mobileが搭載されたほか、同年12月にはau (KDDI) のCDMA 1X WIN端末・W21CAにPCサイトビューアーという名称で同じくOpera Mobileが採用されており、以後日本の携帯電話・PHSにフルブラウザが搭載されるきっかけを作った。ただし、SHA-2に対応できなかったため、2016年に入る時期の前後には、暗号化証明書の必要なサイトに順次接続不可となる不具合を催すことになった。
さらに、Operaの技術をベースに、既存のWeb関連技術やAjaxなどを利用して、モバイル環境のネイティブなソフトウェアとオンラインコンテンツを統合可能にする、「Opera Platform」というアプリケーションプラットフォームの提供をはじめている。
モバイル向け分野のほかにセットトップボックスやカーナビゲーションシステムなどの各種デバイス組み込み分野でもOperaの開発が行われている。中でも任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」向けに、Operaをベースとして独自の改良を加えた「ニンテンドーDSブラウザー」が2006年7月より発売されており、ニンテンドーDSiにはニンテンドーDSiブラウザー[54]、同じく任天堂の据え置きゲーム機「Wii」向けにもインターネットチャンネルの名でOperaが提供されている。また、東芝製液晶テレビ「CELL REGZA」でもWebブラウザとして使用されている。
2013年、Android向けのOpera MobileとOpera Miniが統合され、「Opera for Android」となった。最初のβ版が2013年3月に公開され、レイアウトエンジンをPrestoからWebKitに切り替えた最初の製品となった[55]。従来のOpera Mobile・Opera Miniもダウンロード可能である。
デスクトップ版の世界におけるシェアに関しては、W3Counterの調査(2008年02月)では1.07%[56]、Net Applicationsの調査(同月)では0.69%[57]、W3Schoolsの調査(2008年01月)では1.4%[58]である。IE (60-70%)、Firefox (20-25%)、Safari (3-5%) の後塵を拝しており、2008年9月2日にベータ版が公開されたGoogle Chromeは既にSafariと同程度のシェアを安定して獲得していたことから、Opera (0.6-1.0%) の普及率は高いとは言えない。
また、StatCounterが公表している2009年1月から2010年1月までの統計によると、先進国と比べ古いコンピュータが多いとされる中央アジア圏や東ヨーロッパ圏、ロシア語圏では40%近いシェアを獲得するに至っていた[59][60]。ただし、これらの地域はコンピュータ自体の普及率が低いため[61]、全世界シェアへの影響は小さいものとなっている。
モバイル/タブレットの世界におけるシェアは、スマートフォンが普及し始めた2010年前後は非常に高かったが、その後は減少傾向にある。
もともとは、他の一般的なブラウザとは異なりフリーウェアではなかった。無期限・無料で使用するために画面内への広告を表示する必要があった。この広告表示を消すためにはライセンス登録が必要であったが、2005年9月20日から配布が開始されたVer.8.50からは広告表示が無くなり、ライセンス登録も不要となり、更には一部Opera購入者に対して返金することとなった(その代わりに年額を払う事で提供される有償サポートが始まった)。
ライセンスが有償であった時代に、何度かライセンスが無料で提供されている。ひとつはOpera Affiliates(オペラアフィリエイト)。登録ユーザーが自身のウェブサイトやブログでバナー広告によるOperaの宣伝を行い、250のリファラーを得れば無償でライセンスが付与されるというもの。また、Opera10周年記念パーティーをインターネット上で開催した際にも、ユーザーへ無償でライセンスが提供されていた。無償で取得したライセンスは有償版と同等の意味を持ち、ブラウザ画面の広告も消去されるようになっていた。
まだ日本語版が存在しなかったころのOperaで日本語のWebページを表示させると、画面横幅より長い文字列の折返しに対応していなかったため、横スクロールさせないと全文を読むことができなかった(日本語には欧文のように半角スペースが入らないため)。そこで一部の熱狂的な日本のユーザーグループが画面表示の日本語化を試み、その結果が反映されて現在の公式日本語版ができた。その後、株式会社トランスウエアが代理店となり有償使用ライセンスの販売・サポートを開始、2004年5月には株式会社ライブドアが日本国内におけるデスクトップ版ソフトウェアの独占販売権を取得した。これに関してはトランスウエアが販売権移譲において不法行為があったとしてライブドア・Opera Software両社を提訴している[63]。また2005年にはOpera Software ASAが日本オフィスを開設、無料化以降はサポート体制がライブドアから同日本オフィスに移管されている。
社名でもあるOperaという名称は、短く世界に通用しやすい、マルチメディア機能を備えているなどの理由から付けられている。また、この言葉はOperationなど “Opera” と付くほかの言葉の意味なども込められており苦労を伴う開発作業を意味することともなる[64]。
Opera がプリインストールされている主な機器[65]と Opera のバージョンを以下に示す。
なお、SHA-2には9.5以降のバージョンが要求されるため、それ以前のバージョンの利用には、2016年に入る前後の時期から、暗号化証明書の必要なサイトに接続することが順次できなくなる。
注: 特に説明がない限りデスクトップ版(4.x以前はWindows版のみ)のバージョンを表す。