MOAP(Mobile Oriented Applications Platform)は、NTTドコモが中心となり開発を行っている携帯電話用プラットフォーム(アプリケーションプラットフォーム・ユーザインタフェース)である。NTTドコモの第三世代携帯電話「FOMA」に搭載されている。クローズドユーザインタフェースなので、UIQやS60などと違いサードパーティがネイティブアプリケーションのソフト開発を行うことができない。Symbian OS用とLinux用と2種類用意されている。
概要
携帯電話メーカ各社がそれまで携帯電話用のインターフェース、ミドルウェア等を開発してきたが、それらの開発コストの抑制、インターフェースの均一化を図る目的で開発を進めている。Symbian OS用、Linux OS用と2タイプ用意されている。開発用のエミュレーターも用意されている上、メーカーはMOAP上に設けられた独自アプリケーションエリア、ミドルウェア上の独自エリアのみを開発すればよく、携帯電話の開発速度の向上、開発コストの抑制を行うことができるうえ、NTTドコモ独自のサービスも全メーカーに簡単に展開することができる。
以下の図がプラットフォームの構成図であり、メーカーはグレーの部分のみの開発で済む。
iアプリ(フリー開発部分)
|
ネイティブアプリ(メーカ独自開発)
|
ネイティブアプリ (ソフトベンダ開発)
|
ミドルウェア(MOAP共通) |
ミドルウェア (MOAP共通/機種タイプ別)
|
ミドルウェア (メーカー独自部分)
|
OS部分(MOAP共通)
|
なお、NTTドコモではFOMA端末の開発効率を向上させるため、Symbian OS・Linux OSいずれに向けてもアプリケーションソフトウェアセット「オペレータパック」を開発し、2011年現在はMOAP後継としてFOMA端末への搭載を進めている。SymbianベースのものとしてはSH-07Bより、LinuxベースのものとしてはN-01Bより搭載が開始された。
MOAPの機能例
MOAP(S)
Symbian OSを搭載した携帯電話用。以下のメーカーの端末に搭載されている。
Symbian FoundationからSymbian Foundation Platform Releaseの一部としてオープンソース化されている。
MOAP(L)
Linuxを搭載した携帯電話用。以下の端末に搭載されている。